コーチング

8月に『日経ビジネス アソシエ』の企画でコーチングを体験した。
それまでの私は、コーチングでいうところの「指示・命令型」上司の典型だった。たぶん、今もそんなに変わらないと思う・・・(苦笑)。
雑誌をご覧になった方はご存知だと思うが、このコーチング体験、目からウロコだった。なんといっても社会人経験=社長経験という私だ。会社の数字について人からとやかく言われた経験はほとんど皆無だ。
「悪い例」で最初に指示・命令型(よりもっと怖かった)を体験した時はショックだった。あまりの相手の威圧的な対応に、相手が質問している内容を理解できない。考えもまとめられないまま、とりあえず返事をしてしまっている。もちろん、すぐに突っ込まれる。会話を続けようとすればするほど悪循環に陥る。相手に対して完全に恐怖心を持ってしまう・・・。3分間という短い時間だったが、終わったときには背中に冷や汗をかいていた。
こんな状況で「がんばります」なんていう言葉を言ったとしても、相手は何を話したかさえ覚えていないはずだ。私と話をしているとき、こういう思いをしているスタッフがいないとはいいきれない・・・。
この逆説的な体験は、コーチングに対して漠然と持っていた「効果がでるまで時間がかかる」という先入観を払拭した。時間がない、成果を急いでいる時こそ、コーチング的なアプローチが有効なのだ。しかし、それに気付いているマネージャーは、本当に少ないのではないだろうか?
「指示・命令型」マネジメント一辺倒だと、スタッフは「指示・命令」を待つようになる。そうすると自律成長する組織を作ることはできない。つまり社長の器以上に会社は成長しなくなってしまう。
ところで、コーチングで一番難しいのは、コーチングのできていない上司に対して、コーチングのアプローチをすることらしい。「指示・命令型」の上司の立場にたって、部下がコーチングしつつ、上司に気付きを与える・・・なんて大変なんだろう!!
8月の終わりのそんな貴重な体験を忘れかけていた今週、久しぶりにカプスの役員だった石井さんと二人で食事をした。彼女と二人きりで食事をしたのは実に1年ぶりだった。
彼女は私にとって初めての年上の部下だった。初めて出会ったのは私が25歳、彼女が32歳のとき。26歳になったときに、彼女に会社に参加してくれないか、と私から声をかけた。昨年の事業統合のときに、彼女は会社を離れたが、時々会社に寄ってくれていたから、あんまり離れたという感じはしていなかった。
彼女といるといろんなことを話したくなる。食事の間もほんとうに私ばかりが喋っていたような気がする。そして食事の後、別れ際に彼女はこう言った。「いつも応援していますから、がんばってくださいね」
この言葉を聞いて、一瞬頭が真っ白になった。
10年の間、彼女はいつもこうやって私に話し掛けてくれていたのだ。
「社長なら、きっとだいじょうぶですよ」「みんな、応援していますから」「一緒にがんばりましょう」・・・彼女がいつも私に言ってくれていた言葉が浮かんでくる。
彼女は、「指示・命令型」の私に対して、徹底的に話を聞くというコーチングの基本で接してくれていた。そして、彼女のコーチングのおかげで、「指示・命令型」の私に、スタッフはついてきてくれていたのだ。
彼女のように接してくれる人が身近にいることを当たり前だと思っていた私は、自分の傲慢さに、ほんとうに恥ずかしくなった。
私の周りには、彼女をはじめ、私に必要な人がいつも傍にいるのだ。過去も、いまも。
これだけ恵まれた環境にいて、がんばれないはずがない。
8月の体験を思い出して、もう一度「コーチング」について考えてみよう。

コーチング」への8件のフィードバック

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  4. いつも楽しく拝見させていただいています。
    コーチングですか。
    いま 非常にもてはやされていますよね。
    でもこれを本当に実践できている人は本当に少ないと
    おもいます。
    私は職業柄(営業です)、コーチングをしないとものが
    売れないと肌で感じて仕事をしてきましたので、自然と身に
    ついていきました。
    ひたすらお客様(部下)の言うことをきいてあげて、それに
    対して、なにかアドバイスをしてあげるということ。
    あと質問(オープン、クローズ やりましたか?)も大切な
    要素ですよね。
    このスキルを身につけてただけで、格段とコミュニケーションスキルはあがっていくとおもいます。
    生意気ながらも(全然私の方が年下なので) 応援していますので、これからもがんばってください。

  5. 実は、うちの執行役員クラスに体験してもらおうと思っていたのですが、なぜか私がすることに(苦笑)。
    でも、「この話、どう思う?」って聞いたときの反応がすごかった!
    「やるべきですよ」「いうまでもない!」みたいな(笑)
    ま、いかにみんなが(特に役員が)私の「指示・命令型」に苦労していたか、よくわかりました〜。
    私は、スタッフとはあんまり食事&呑みにいかないなぁ。毎日遅くまでみんな仕事しているせいもあると思うけど・・・。
    お互い、平日に家で食事することなんてないよね>大日さん!

  6. コーチング。
    私もここ最近気になっていたキーワード。
    私のいた会社も指示・命令型の組織(一部では好き勝手なことをやる奴もいますが・・)が中心でしたが、どうも思いや気持ちの伝え方が下手くそだなぁ、と思うことがしばしば。。
    確かに、売り上げ、予算、前年比、といったキーワードで毎週毎週つっつかれ、1日5件お客のところに行って来いと言われれば、部下は自分で思考して動くことはしないよなぁ、と。。
    とはいえ、おじさま方はそういう世界で今まで生きてきたのだから、それはそれで仕方がないし、そういう上司がいても成長する奴はいる。
    でも、そんな個人の資質に頼って成長を待っていては、組織としてのパワーは最大限発揮されないような気がしてます。
    ここ最近、同僚や部下が同じ目的に向かって力を出す、ということの難しさを感じることが多い。どうしたら気持ちよく働けるだろうか、と頭を悩ますことが増え、今までにない考えに至ることもしばしば。。。
    いまさらながら自分で思考し、仕事の目的と楽しみを見つけながら時を経られるよう努力しなくてはいけない、と思わされると同時に、よき先輩や相談できる上司、友人がいる、というのは重要だな、と感じています。
    神原さんのように、よき部下や友人に恵まれるのは自分の努力の賜物だし、そうなった時にさらに自分が努力することを忘れないことが重要なのだなと、思わされました。
    コーチングとは程遠いけれど、後輩を呑みに誘ってついてきてくれるのは、よき先輩と思っていいのかなぁ(笑)

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