起業ということ1

「くすりのらくだ」で有名なシーちゃん先生と会った。
彼女は、実家の薬局を手伝いながらオンライン販売をはじめ、月商1000万円をこえる売り上げ実績を持つ。メルマガのファンも多く、実は、取締役の榊枝くんからずいぶん前にシーちゃん先生の話は聞いていた。
そんな彼女がこの5月に会社を設立。表参道にある彼女のオフィスを見学した後、二人で食事に出かけ、起業当時の大変さやスタッフマネジメントのこと、銀行との取引のこと・・・、いろんな話で盛り上がった。
二人で笑った(怒った?)のが、銀行口座開設のエピソード。
私が会社を設立したのは93年。女子大生気分も抜けない私がはじめて口座開設の相談にいったのは、原宿のT銀行(いまはもうない・・・)。その銀行を選んだのは、オフィス&自宅から一番近い銀行だったから。
「会社を設立するので、株式の払い込み口座を開かせてください」
「うちの銀行と取引あるの?」
「いいえ、でも会社を設立するために、資本金の払い込み口座を開きたいのです。資本金は用意できてきます」
「取引がないのなら無理だね」と一言・・・。
うそみたいでしょ!?
今回、シーちゃん先生もまったく同じ体験をしたそうだ。
オフィスに程近い某大手銀行で口座開設にいったところ、背広も着用しないで対応され、ほぼ門前払いだったそうだ。
私自身は、大学を出てすぐの起業だから信頼されない、というので納得しようとしていたのだが、彼女の場合は、すでに経験も豊富でお金もある。それでも、対応は同じだったというのだ。
取引実績がない人、すべてに対して大手都市銀行ではこういう対応の教育をしているのか、あるいは私たちが女性だったからなのかは、わからない。
結局、私自身は、伯母の兄弟で銀行に勤めている方を紹介してもらい、シーちゃん先生は異業種交流会での人脈をたどって、やっと口座を開設することができた。
会社を成長していく過程では、金融機関が力になってくれることもある。もちろん黒字のときだけだ(笑)。
でも、どんな取引でも、すべて社長の個人補償が必要だ。
私が会社として初めて借りたお金は確か500万。その契約のとき、契約書の裏面に書いてある内容をはじめてまともに読んだときには、署名・押印をする手が震えたことを覚えている。そこには、返済できなかったら、あなたの持っているものすべて銀行のものですよ、という内容が書かれている。
会社を興すということ。
現在の日本においては、それは全人生を会社に賭けろというだけでなく、失敗は許さないという意味を持っているのだ。
そして人を雇用するということは、途中でGive Upできないということだ。少なくとも雇用に対する責任を負うことが社長の重要な仕事だと考えている私にとって、Give Upはない。
家族との幸せな生活を犠牲にする危険性と、Give Upできない、ということを当時、きちんと理解していたら、私は起業しただろうか・・・?
若いということ、知らないということは、ほんとうに強い。
起業がもてはやされている今、そのリスクをきちんと伝えることがとても大切だと思った夜だった。
このテーマ、また別の機会にも触れることになるだろうなぁ・・・。