みなさんに、知って欲しいこと。考えて欲しいこと。

私がインターネットに関わって、すでに15年以上経ちます。その間、いろんなことを経験してきました。
今のインターネット環境・・・スピードであるとか、情報量であるとか、表現であるとか、そういったものを当然だと思っている人が多いというのを感じるにつけて、私自身が、いまこの環境にどれだけ感謝しているか。そして、このインフラをより便利なものにしていきたい、守りたいと思っていることについて、少し書いてみたいと思います。


90年代後半、インターネット初心者向けの雑誌がいっぱいありました。
当時、私たちは『日経ネットナビ』の付録についていたCD-ROMの制作をずっと担当していました。雑誌がインターネットのナビゲーターの役割を果たしてくれていて、有益なウェブサイトは雑誌の特集で見つけるというのが当然のスタイルでした。そしてオンラインでは、情報はディレクトリー型に整理されたヤフーをはじめ、目的別のリンク集的なサイトを活用しながら情報を探していました。
当時から検索エンジンはいろいろありましたが、正直、キーワードを入力して表示される検索結果は、満足できるものではありませんでした。検索結果が数件しかないということもあれば、見たくもない、関係のないサイトが表示されるなんていうこともよくあったのです。「○○で検索」というようなマーケティング手法は、当時では、考えられませんでした。
それでも、インターネット以前に比べると、簡単に情報が手軽に入手できるという環境に、驚きと同時に、その環境が発展していくことを期待し、そこに参加できていることがとてもうれしかったです。
ブラウザが進化し、ブロードバンド環境が整い、テキスト中心から写真やアニメーションを使った表現を快適に閲覧できるようになり、そしてGoogleの登場で、キーワードによる検索結果が、十分満足できるようになったのは、この数年の話なのです。
この環境を手に入れるために、そして安定してサービスを提供するために、多くの技術者が、そして会社が、ほんとうに大変な努力をしてきました。技術的な挑戦、そして運営のための試行錯誤・・・。現在の便利で、快適なインターネットは、それらの多くの人たちの努力の賜物なのです。
私は、低価格でパソコンを入手できるようにしてくれたマイクロソフトやインテルはもちろん、あれだけの精度の検索結果を提供してくれるGoogle、メールサービスやFlickrなどのサービスも含めたYahoo!、そしてオープンソースを支えてくれている開発者の人たち・・・これらのすべての人たちに感謝しています。
一方で、この環境を壊そうとしている、心無い人たち、サービスが存在することに、心を痛めています。
この環境のありがたさ、そしてそれを維持するために、大勢の人が努力をしているという事実を知らずに、あるいは知っていてなお、ユーザーのことを考えず、目先の利益のためだけのサービスを提供するということは、とても許せることではありません。
さらに悲しいことには、自社の利益だけを考えて、その便利で、効果がすぐにみえそうなサービスを利用している企業があることです。そして、それらの企業は、インターネットの今の環境や秩序を、自分たちが壊そうとしていることすら知らないかもしれない、ということです。
SEOという言葉が広く知られるようになって数年が経ちました。
知りたい情報を探している人に対して、必要な情報を届ける。その媒介となっているのが検索サービスであり、検索結果です。ユーザーがその内容に満足できなければ、その情報の質はもちろん、提供しているサービスの信頼に関わります。
ユーザーに役立つサービスを提供するために検索サイトはいろんな努力をしています。
・Yahoo!検索コンテンツ品質ガイドライン
・検索エンジンスパムとは?(Yahoo!公式サイトより)
・ウェブマスター向けガイドライン(Google公式サイトより)
ユーザーを裏切る行為をした企業に対して、Googleが厳しい制裁をしたこともあります。
少し前の話になりますが、ドイツのBMWの公式ウェブサイトや、サイバーエージェントの一部のサービスのウェブサイトが、Googleの検索結果の対象外になったことを覚えている人もいるのではないでしょうか?
・melma!やECナビ、グーグルから検索不能に–検索スパ ム行為が原因か(from CNET Japan 2006.03.29)
・Google,反則行為のBMWにレッドカードを(from media pub 2006.02.07)

・BMWとリコーの独サイト、SEO対策問題でGoogle検索から削除(from ITmedia News 2006.02.07)

企業のウェブサイトは、自社メディアで、その活動内容を、より多くの人に知ってもらうために、さまざまな方法があります。でも、それが、ユーザーを欺くものであってはならないのです。
企業のマーケティングやPRの担当者なら、継続した信頼関係の構築こそが、ウェブ上における、ひいては企業活動の成功につながるということはご理解いただけると思います。
いま、このブログを読んでいるみなさんにお願いです。今一度、皆さんが実施しているSEO対策が、あるいはマーケティング施策が、インターネットユーザーを欺くものになっていないかどうか、確認してみてください。
インターネットの恩恵をうけている私たち自身が、技術の発展を担っている人たち、この環境を提供し、維持してくれている人たちに対する感謝の気持ちを持つことが、大事なんではないでしょうか。
このエントリーが、その事実を認識していただくきっかけになれば、うれしいです。

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