企業文化と評価システム

先日の澁澤健さんの講演で「か」と「と」の話がすごく頭に残っています。
「or」と「and」ということなのですが、既存の選択肢から一つ選ぶだけの「か」と、相反するもの/融合しそうにないものを結びつけることによって、新しい価値がおこる「と」。


CSVセミナーでの質問にあったのが「か」での評価システムは、評価する側もされる側も明確でわかりやすいが、それだけではイノベーションは生まれない。新しい価値を創造する「と」の部分をどのように会社は評価してくれるのか、ということ。
非常に難しい、そして考える価値のある質問だと思いました。
この質問について考えているのですが、自分自身の中でも、まだきちんと整理されていませんが、現時点での感想をメモしておきたいと思います。粗い内容になっていますが、みなさんのお考えも教えてもらえるとうれしいです。
昨今の企業の不祥事について考えるときに、その背景には、人事評価システムと企業文化の両方があると思います。
会社の中で、自分がどのように評価されるか。人事評価システムと同時に社内外でどのような視点から承認されたいか。数字だけの評価の場合は,数字だけの成果を求めて、その数字の達成を追求してしまうことになります。
一方で企業文化を大事にする企業の場合、その企業”らしさ”という、数字には現れにくい活動も評価する必要があります。
企業文化の視点から、価値の共有をベースに企業の人事評価をする場合は、評価をする側もされる側も、しっかりと考え、しっかりコミュニケーションしなければ納得を得るのは難しいと思います。
一方で、例えば大学入試において、マークシート方式の日本の大学と、高校3年間の成績とエッセイ(論文)で候補者を評価する米国の大学では、その労力は比較にならないと思います。数値だけ、一度だけの入試から、3年間を通じた勉強の姿勢や活動を長期で見ること。また一人ひとりの候補者のエッセイを精査すること。この違いは自明です。
そういう意味では、数値化した評価システムは、評価する側もされる側も、”納得感”を共有するために双方が”楽”をしているのかもしれません。
企業文化やビジョンを共有して仕事に取り組むのは、その具体的な行動をそれぞれが考えることができます。加えて短期的な結果よりも、顧客との長期的な信頼関係の構築を視点にして考えることになると思います。
そういう視点で考えると、大きなビジョンを掲げ、その旗印に集まったスタートアップの企業や、価値観がしっかり共有できている成熟した企業のほうが、企業文化を背景にした評価システムに取り組みやすいのではないかと思います。
一人ひとりの仕事が、企業の今日だけでなく、未来につながっていく。
そして企業が長期にわたって発展していくためには、現状維持ではなくて、予測できない未来のための変化へのチャレンジが必要。数字だけの評価システムからの脱却あるいはそれと併用される、イノベーティブな活動への評価の仕方が、そのチャレンジを可能にするのだと思います。
企業のビジョンを実現し、企業文化をベースにした組織。
自立した人/組織が、考え、そして変化していくことにフォーカスしていれば、評価の時間よりも大事な”なにか”が見えてくるのかもしれません。

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