「謝罪の流儀」から、ネット時代の企業のコミュニケーションを考える

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「日経ビジネス」の12月7日号の特集は「謝罪の流儀」。
個別の事件、事故についての対応はもちろんですが、私たちを取り巻く環境の変化について改めて考えました。


事業の最終責任者であるトップの役割の一つに、緊急時対応、そしてステークホルダーへの説明責任があります。
経営者は経営のプロで、謝罪のプロである必要はないと思われるかもしれません。しかし、どんな状況のときも経営者は、説明責任を果たす義務があります。会社を守るということを考えると、そのためのスキルは必須です。
記事ではメディアトレーニングや記者の座談会についても触れていましたが、当然と言えば当然ですが、違和感が残りました。
もちろん常石グループでも、緊急時のメディアトレーニングを実施しています。
緊急時に会社を守れるかどうか。
トップには高度なコミュニケーションリテラシーが求められます。
そのためには、社員や地域社会はもちろん、マスメディアも含めた、ステークホルダーの立場を考え、対応する、想像力、理解力も必要だと思っています。
一方で、説明責任を果たすのはトップの仕事ではありますが、営業やプレゼンの上手な人ばかりがトップにいる訳ではありません。もちろん、トップに上り詰める人は、社内外の信用を積み重ねてきた人です。しかし、日本の製造業などは、ものづくり一筋だった人がトップになっているケースも多いです。
事故や事件について真摯に対応したいと思わない経営トップはいません。
しかしながら、そういった人たちに対して、本質的でない、また悪意のある質問を浴びさせ、スマートな対応ができないことで、事を大きくする・・・そういった報道のほうに不快感を持つのは、私だけではないと思います。
インターネット登場前は、企業は、ステークホルダーへの情報発信の手段/媒介としてのマスメディアに頼らざるを得ませんでした。
しかし、企業は、自社のウェブサイトで、あるいはソーシャルメディアの公式アカウントで、すでに自分たちがステークホルダーと直接つながっています。
そして、このことが前提になったときに、どのような対応が、一番伝えたい人にメッセージが伝わるのか、改めて考えてみてください。
頭を下げた映像や写真などのビジュアルを通じて謝罪を象徴的に伝えたいメディア。それに対して、慣れていない記者会見での応対で、伝えるべきこと以外がクローズアップされるリスク・・・きっと多くの企業の広報部門や総務部門が、そして経営者自身が感じている不安だと思います。
マスメディアに情報発信を依存していた時代から、マスメディアがステークホルダーの一つとなった現在では、情報発信の方法を抜本的に見直す必要があります。
どのようにして会社を守るかを考えるときに、私が提案したいのは、マスメディア向けの謝罪会見ではなく、自社サイト=オウンドメディアを活用した情報発信です。
従来のメディアを媒介とした情報発信から、伝えるべき相手に、企業が直接、メッセージを伝えることができる場所=自社ウェブサイトを中心にする。
それによって、守れるものが増えます。
会社を守ることは、すなわち雇用を守ること。
謝るべきことは謝り、正すべきは正し、顧客の声に耳を傾ける。
それらを実現するインフラは整っています。あとは企業の取り組み次第です。
インターネットが普及した今だからこそ、そのようなリスクを最小限にとどめ、本来対応すべき相手に対してまず誠意をもって対応していく場として自社サイトを活用する。そういうコミュニケーションの変化が起こるべき時期にきているのではないでしょうか。
マスメディアよりもインターネットユーザーのほうが怖い、という反論があるかもしれません。でもそれは大きな間違いです。
普段のビジネスの中で積み重ねてきた信頼関係。緊急時にこそ、これまでの信頼が鍵になると思います。そして、平時の対応が大事なのは、リアルだけではありません。正しい情報発信とコミュニケーションを継続してきた企業に対して、企業の普段の姿を知っているインターネットユーザーは、いたずらに企業を攻撃してくることはありません。断言できます。
マスメディアに情報発信を依存していた時代は終わりました。
いま企業は、マスメディアも、インターネットも、その特性を理解して、活用することが求められています。
少し古いですが、ネットでの医薬品販売規制についてのネットでの情報発信に関するエントリーもお読みいただければうれしいです。
ですが、ネットでの医薬品販売規制についてのネットでの情報発信に関するエントリーもお読みいただければうれしいです。
・企業を守ってくれるのは顧客ではないのか、という仮説。(from minakok’s blog 2010.03.21)

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