長い一日

4月20日は、長い、長い1日でした。
みなさんからの支援物資の第一便が福山国際コンテナターミナルを出航したのが、19時30分。予定より1時間30分もかかってしまいました。
その後、出航をみなさんにお知らせする為のリリースの確認。21時20分に公開。福山での業務を終了しました。


17日日曜日にグループでの支援内容案を考えて、実現可能性を検討。
18日月曜日朝の緊急会議で、ツネイシグループとして、船舶を利用した物資の海上輸送支援の実施を決定。その後、グループの関係各社から担当者を招集して、実現に向けて検討を始めました。
神原汽船所有のコンテナを利用。物流は神原ロジスティックス。物流支援は神原タグマリンサービス。陸上からの輸送には、ツネイシCバリューズ。
このタイミングでは、荷出しは、福山だけでなく、北九州の若松にある常石鉄工にするか、という選択肢がありました。結局、物流のプロのいる福山に物資を集約することに。
また、荷揚げ港については、熊本県内の熊本新港、八代港、三角港を検討。現地のヒアリングを始めました。どの港に陸揚げしたとしても、現地での受け入れ態勢と陸上物流について不確定要素が大きかったです。
社内では、輸送する物資をどうするのか、ということが問われました。個人からの支援は受け付けないという方針のため支援物資を送りたい人は大勢いるはず、という確信がありました。同時に、起業家団体EOの友人たちをはじめ、多くの経営者の友人たちが、陸上輸送が困難で、支援ができないことをFacebookのグループで情報交換しているという状況もありましたが、海上物流のプロたちからすると、本当に輸送する物資が集まるのか、という疑問が大きかったのです。
荷物は必ず集める!と言い切って、船の手配を依頼。
本来は、物資を運ぶのは内航のコンテナ船が最適なのですが、あいにく空いてる船がなかったので、コンテナを積める貨物船を手配。40フィートコンテナ9本。20フィートなら18本積める船が用意できると連絡がありました。
高速道路で見かけるコンテナトレーラーでひっぱられている大型のコンテナ。あれが40フィートになります。20フィートは、コンテナハウスなどで見かけるその半分のサイズ。それでも、かなりの物量が体積可能です。
ほんとうにネット上での情報拡散だけで物資が集まるのだろうか。
物資を集めるためにも、実施を早くアナウンスしたい。
会社からの公式発表前ではありましたが、どんどんFacebookなどのソーシャルを使って情報発信を始めました。
一般の方には馴染みのない海上輸送。知名度の低い地方企業の私たちを、どれくらいの方が信じて、物資を任せてくれるのだろうか。ネットで情報が拡散される様子をみながら、不安もいっぱいでした。
そこで、広島県に我々のプランを連絡し、県から支援する物資の輸送を引き受けさせていただけないか相談。オンラインでの告知と同時に、起業家団体EOや地元企業にも、支援物資を送りたい地元企業にも、お声掛けを始めました。
荷物を集める一方で、実際の輸送についての調査。
どれくらいの支援物資が集まるか、まるで予想が立たないなか、4トントラック2台で配送するという仮方針を決定。
当初トラックは船で物資と一緒に海上輸送の予定でしたが、荷物が集まる時間と輸送時間を考えると、支援要請のある桜十字病院には、トラックで陸送することに。現地に物資を届けた後、船が到着する港で合流することに。
19日正午出発と決め、出発までの時間が短いことから地元の友人や企業にお声掛けをし、お菓子やおしりふきなどの物資とともに、常石グループ内の各社から集めた卵やカステラ、うどんを中心に積み込みをして、福山を出発。
19日11時。やっと会社としての公式のプレスリリースを発信。前後して、物資を集める神原ロジスティックスの物流センターへ、問い合わせの電話がなり始めました。
そして、広島県から県内の市町村からの12万食を含む災害備蓄品の輸送依頼の連絡が。県から送られてきたリストをみて、とりあえず、現地に送る物資が確保できたことでスタッフも輸送への意義が高まりました。
19日夕方の全体ミーティング。
最有力の荷揚げ地候補だった三角港が、自衛隊などが利用するため民間船の接岸は保証できないという現地からの連絡で、荷揚げを鹿児島県の志布志に変更しようという提案が。
熊本に物資を届けるのに鹿児島県でいいのか?という疑問もあったが、福岡からの南下ルートに対して、鹿児島からの北上ルートの両方から物資が届くことの意義もあるだろうと志布志港の活用を決定。
実は志布志には、神原汽船グループの物流会社の1つである山下回漕店があるため連携も取りやすく、さらに、福山港からの距離も三角港に比べて近いため、実際には物資を届ける時間が10時間も短縮できるということが判明。
現地の山下回漕店に受け入れ態勢を依頼すると同時に、現地指揮を執るため先発メンバーが現地に向かって出発しました。
19日の夜は、翌日朝からのオペレーションのために、オンラインから情報を集めて支援先のリスト作成。平行して、友人たちの会社で支援を求めている避難所などの情報を入手できるアプリや、具体的な支援物資を被災地から情報発信できるウェブサイトなどが開発、公開。これらの情報を頼りに物資をおとどけすることに。
明けて20日。
神原ロジスティックス 福山物流センターに対策本部を設置。
対策本部では、予定されている支援先に電話連絡して現状のニーズを取りまとめ。当初はツネイシCバリューズの4トントラックでの輸送を考えていたが、
県から依頼された物資によって、かなりのボリュームが増えたこともあり、それだけでは物資を届けるのに時間がかかりすぎるため、前日から相談していた西濃運輸さんから、10トントラック2台と4トントラック1台の提供を依頼、ご検討いただくことに。
また山下回漕店からは、コンテナのまま輸送するコンテナトレーラーの利用の提案があり、手配を依頼。
無料配送のアナウンスが19日。にもかかわらず、東京都内の友人経営者たちから20日の第一便に間に合うようにと、大量の段ボールが届きはじめる。
常石造船からの若手スタッフが5名の応援部隊が、朝から宅急便や直接持ち込みで届く物資を対応。
また神原ロジスティックス側では,県下の自治体がトラックで届ける物資を受け取る作業。志布志での混乱をできるだけ少なくするため、支援先の情報を元に、目的地別に必要な支援物資を分けながら梱包作業。これらをエクセルで管理しながらの配送先決定と梱包。行き先別のコンテナへの積み込み・・・。
当日は、年1度の常石グループのメディア発表会もあり、対策本部から一度、常石へ。再び夕刻に神原ロジスティックス内の対策本部に戻ったときには、あらゆることが整理され、作業が進んでいることに驚きました。
前日に出発したトラックが、桜十字病院に到着の知らせ。
現地からの喜びの声が入り、また皆の気持ちが一つになります。
前日に先発して志布志に入っていた総務部スタッフは、志布志の山下回漕店のメンバーと合流後、志布志から支援物資を届ける避難所へのルートを確かめるため、訪問予定先や役所を個別訪問。コンテナトレーラー、10tトラック、4tトラックのどれで配送するのがいいかを検証していきます。また実際の現場を目で見て写真を撮り、本部にレポートしてくれました。
被災地の現状に胸が苦しくなる思いを、みんな、ぐっとこらえて、確認、指示、そして作業に没頭しているようでした。
各拠点からの指示はすべて「被災地の方に、いかに早く物資をお届けするか」を念頭においたもので、刻々と変化する被災地の状況に対応しながら、皆が、ほんとうに柔軟に考え、対応してくれました。
最終的に詰め込んだ物資は、コンテナ6本。
行き先は、
・熊本県民運動公園向け コンテナ2本(コンテナのまま配送)
・南阿蘇村役場向け コンテナ1本 (コンテナのまま配送)
(一般車両の立ち入り禁止。要確認)
・桜十字病院&熊本工業高校体育館向け コンテナ1本→4Tトラック積み替えて輸送
※以上4本は、荷下ろしを考えて2名体制で。
・健軍小学校&医療法人社団大浦会向け コンテナ1本
・益城町災害対策本部&桜十字八代病院向け コンテナ1本
※九州西濃運輸さまへ委託。7tトラックと4tトラックで輸送
福山国際コンテナターミナルでコンテナの積み込みが始まったのは18時。そして、準備が完了して出航したのが19時30分。
救援物資を送る船の為だけに稼働している静寂の中のコンテナターミナルでの作業を、現地テレビ局の取材クルーと一緒に見守りました。
いま、明日からの物資の現地への輸送を確認するため、鹿児島に向う機内でこの数日を振り返ってみると、各社が「常石グループ」という旗印のもと、それぞれの専門分野ですばらしい対応をしてくれていることに、本当に頭が下がります。これだけのプロフェッショナルがいるということを、改めて誇りに思います。
特に今回は、神原ロジスティックスをはじめ、神原汽船、神原タグマリン、山下回漕店といった海運グループ。そして、ツネイシCバリューズといったエネルギーセグメントと車両の専門家のチーム。ツネイシホールディングスの総務部を中心としたプロジェクトマネジメント。
情報が錯綜するなか、常に前を向いて作業にあたってくれたみなさん。本当にありがとうございます!!引き続き、よろしくお願いします!
広島県をはじめ、地域の方々,企業の迅速なご対応にも心から感謝します。
そして、地方の、無名の会社の提案にも関わらず、被災地に物資を届けることに賛同いただいた多くの方々。遠くはニューヨーク在住の方からも、支援物資をお送りいただきました。
最初は荷物が集まるのかどうか、半信半疑だったメンバーも、みなさんの思いをしっかり届けたいということで、一致団結して仕分け、梱包作業をしてくれました。
この飛行機が鹿児島空港に着くのと同じくらいの時間に、福山港を出発した貨物船が志布志港に到着予定です。
いよいよ明日から、被災地への陸上輸送が始まります。
引き続き、スタッフ一同、誠心誠意をもってみなさまからお預かりした物資を被災地のみなさんにお届けさせていただきます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です